医療安全教育セミナー2008夏期

(医療安全管理研修会)

医療システムの安全向上

 

 

会期 2008810() 12()

 会場 東京大学医学部鉄門記念講堂 (1日の定数280)

 

 

主催 国際予防医学リスクマネージメント連盟

     

 

 

 

 

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プログラム

 

趣旨:  本教育プログラムは、高度な医療安全活動を構築するための最新の資料を与えるもので、内容は毎年新しい話題を取り上げています。

  なお、本プログラムは、厚生労働省の診療報酬改定による「医療安全対策」として診療報酬申請に加算する際に、加算の対象となる2008年度の研修教科内容の1部にもなります。この場合は、2008年度冬季セミナー(2009128-30日の3日間実習)と併せて6日分を申請することをお勧めします。参加者には受講証明書を発行いたします。

 

受講対象者:  学会員、医療施設経営者、医療安全管理者、リスクマネージャー、医薬品安全管理者、医療機器安全管理者、医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、放射線技師、臨床検査技師、法関係者、医療事務関係者、医療産業界関係者、学生、市民、その他

 

 

 

 

(1日目)   2008810() 午前9時〜午後4

東京大学医学部鉄門記念講堂

医療安全管理の組織 

 

受付開始 午前830

 

 

午前930  開 会

 

午前932分〜午後1020分  

講義  医療現場での過労死・過労自殺・過労による事故災害と過重労働予防対策

       杉田 稔    東邦大学医学部衛生学、教授

(趣旨) 最近の医師不足と看護師不足により、日本の医療界は過重労働を強いられ、その結果として過労死、過労自殺、過労による事故・災害が多発し、膨大な医療難民が発生しています。今回、過重労働防止に関する労働衛生上の法規と制度が紹介されます。

 

 

午前1020分〜午前1030分    小休憩

 

 

午前1030分〜午後1120

講義  先進国における医療安全活動のあり方 -- 経済社会開発機構(OECD)の新しいガイドライン

       川村 泰久   OECD東京センター所長

       酒井 亮二   国際予防医学リスクマネージメント連盟理事長

(趣旨) 日本の医療安全活動は先進国の中で遅れています。OECDは先進国による国際機関として、世界でもっとも高度な国際政策の提言を行っています。今回、国際予防医学リスクマネージメント連盟の協力機関の1つであるOECDにより、日本を含む先進国の取るべき医療安全活動に関する最新の報告書が出されました。

 

 

午前1120分〜午前1030分    小休憩

 

 

午前1130分〜午後1230

(座長)  吉田 謙一 東京大学大学院医学研究科法医学教授

 

教育講演  医療事故の事実認定における法の考え方

      前田 雅英   首都大学東京 都市教養学部学部長、同法科大学院教授。

              厚生労働省「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」座長

(趣旨)演者は政府における医療安全調査委員会設立に関する検討会の座長として中心的な役割にあります。今回は、医療事故に対する刑法・民法上の基本的な考え方を解説されます。これにより、法に合致する医療機関内の医療安全活動のあり方の理解を深めます。

 

 

午後1230分〜午後2時  昼食

 

 

午後2時〜午後5時 シンポジウム 院内事故調査委員会の構築方法の標準化

(趣旨) すべての人はミスを犯すため、医療事故はすべての医療機関で起きる性格を有し、その原因究明と再発防止のために医療施設では院内事故調査委員会を自主的に設置することが不可欠です。「実際に事故が起きた場合、院内で自主的に必要となる事故調査委員会はどうあるべきか」に関して、日本ではそのための標準化やガイドラインが十分に発達していません。日本を代表する医療機関の方々による、今回のトップマネージメント・シンポジウムにより、同委員会の自主的な設置に関する標準的なガイドラインが解明されます。これにより、効果的かつ標準的な委員会の設立基準の理解を深めます。

 

座長 前川 和彦 公立学校共済組合関東中央病院院長、東京大学名誉教授

五十嵐 隆 東大病院副院長

 

午後2時〜午後230分      講演  五十嵐 隆  東京大学医学部付属病院副院長

午後230分〜午後3時      講演  有賀 徹   昭和大学医学部付属病院副院長

午後3時〜午後330分      講演  竹内 和男  国家公務員共済組合連合会虎の門病院副院長

午後330分〜午後340   小休憩

午後340分〜午後410分    講演  森 功    医真会八尾総合病院理事長

午後410分〜午後430分   報告 「欧米の動向」  吉田 謙一 東京大学大学院医学研究科法医学教授

午後430分〜午後5       シンポジウム総合討論

    (コメンテーター)    江原 一雅  神戸大学医学部附属病院 医療安全管理室

 

 

午後5時  1日目閉会

 

 

 

 

 

 

(2日目)   2008811() 午前9時〜午後4

 東京大学医学部鉄門記念講堂

医療安全管理の技術と教育 

 

受付開始 午前8

 

(811日午前の部)

 

 

午前9時〜午前12時 シンポジウム 「医療機関での医療安全活動の現状と明日の課題」

(趣旨) 日本において代表的な医療機関の医療安全実務担当者から、それぞれでの活動の近状を報告いただきき、医療安全活動の最先端に関する情報を参加者と共有する。また、総合討論によって、今後の日本の医療安全活動の更なる向上のための諸課題を明らかにする。

 

座長:   矢野 真   武蔵野赤十字病院医療安全管理室室長、呼吸器外科部長

半田 誠   慶應病院医療安全管理室副室長、同輸血・細胞療法部長

 

 

午前9時〜午前930

   講演  聖路加国際病院の事例

          寺井 美峰 聖路加国際病院医療安全管理室

 

午前930分〜午前10

講演  東京女子医科大学病院の事例

          金子 恵美子 東京女子医科大学病院医療安全管理室

 

午前10時〜午前1030

講演  慶應病院の事例

半田 誠  慶應病院医療安全管理室副室長

 

午前1030分〜午前1040分    小休憩

 

午前1040分〜午前1110

講演  京大病院の事例

         長尾 龍雅  京大病院医療安全管理室室長

 

午前1110分〜午前1140

講演  武蔵野赤十字病院 の事例

         矢野 真   武蔵野赤十字病院医療安全管理室室長

 

午前1140分〜午後12時   シンポジウム総合討論

 

 

午後12時〜午後1時 昼 食

 

 

(811日午後の部)

 

午後1時〜午後150 (質疑5分を含む)

座長  安原 洋  東大病院手術部教授

 

講義 「医療機器の安全な使用のための人間工学の方法」

小松原 明哲   早稲田大学理工学術院創造理工学部経営システム工学、教授

(趣旨) 医療機器を含む様々な機器の安全使用と操作ミスの防止については、人間工学とヒューマンファクターから膨大な研究が蓄積されています。本講義は医療機器の使用に関する多数の調査研究に基づいて、医療の現場で医療機器を使用する医療者側での注意点とポイントを講義します。

 

 

午後150分〜午後2時 小休憩

 

午後2時〜午後430分 シンポジウム 「他業界に学ぶ職員安全教育のあり方」

(趣旨) 安全教育はすべての事故・災害の防止の基本であり、人類の永遠の課題です。安全教育は医療の現場で近年活発化してきましたが、医療界以外の業界では長い歴史のなかで様々な知識と経験が蓄積し、事故と災害防止に多大な貢献をしています。狭い国土と多数の自然災害の中で、日本には多くの工学技術分野で安全工学や安全システムが世界一の高水準に発達しており、それらは欧米からも羨望され、英米の医療界はこれらを模範、教師として医療安全の目標と照準を定めました。「日本の安全学に学べ」が世界の合言葉です。

このように、日本には最優秀な安全の世界が身近に存在します。本シンポジウムは、日本が世界に誇る代表的な企業体における安全教育への取り組みを報告いただき、医療施設での安全教育の向上を図るものです。これにより、日本の医療界での安全教育は世界一の水準に容易に達する、と考える次第です。海外よりも日本の中に無数のヒントが存在しています。

 

 

座長 小松原 明哲   早稲田大学理工学術院創造理工学部経営システム工学、教授

   江原 一雅     神戸大学医学部附属病院 医療安全管理室、同医学教育センター副センター長

 

午後2時〜午後230分     交通安全教育       石田  敏郎   早稲田大学大学院人間科学研究科

感性認知情報システム研究領域、教授

午後230分〜午後3時     航空機業界の取り組み   塚越 洋司 日本航空運航乗員訓練審査企画部

HF訓練企画室室長、機長

午後3時〜午後330分     鉄道業界の取り組み       宮下 直人 東日本旅客鉄道()安全対策部、部長、執行役員

午後330分〜午後340分   小休憩

午後340分〜午後410分   製造業界の取り組み    福成 雄三 住友金属工業()安全・健康部、部長 

午後410分〜午後430分   シンポジウム総合討論
 

 

午後430分   2日目閉会

 

 

 

(3日目)   2008812() 午前9時〜午後4

東京大学医学部鉄門記念講堂

医療安全の対話と法 

 

受付開始 午前8

 

 

(812日午前の部)

座長:  木内 貴弘 東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻 医療コミュニケーション学分野, 教授

 

午前9時〜午前10 (質疑時間を含む)

 講義  医療事故情報収集等事業と産科医療保障制度

      後 信   日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部部長

(趣旨) 近年、日本医療評価機構では病院評価基準の1つとして医療安全を導入しました。本講義では、同機構の医療安全に関する考え方と具体的な取り組みが紹介されます。

 

午前1010分〜午前11 (質疑時間を含む)

講義  「医療とリスクコミニュケーション

 吉川 肇子  慶応大学商学部准教授、同医学部非常勤講師

(趣旨) リスクコミュニケーション教育は米国ではハーバード大学を中心に大変活発に行われていますが、日本の医療界では未発達です。演者は心理学分野からリスクコミュニケーションに関する多数の発言を行っており、医療界での適用を活発に推進しています。本講義は医療の現場でのリスクコミュニケーションのあり方に関するこれまでの研究が詳細に報告されます。

 

午前11時〜午前1110分 小休憩

 

午前1110分〜午後12 (質疑時間を含む)

講義  「真実説明・謝罪マニュアルについて  -- ハーバード大学マニュアルを踏まえて」

埴岡 謙一  東京大学医療政策人材養成講座准教授

(趣旨) ハーバード大学の研究グループの発表した医療事故での謝罪マニュアルは先進国の医療界に激震をもたらしました。本講義では、このマニュアルを含めて、医療施設が医療事故の際に取るべき態度と対話について、報告されます。

 

 

午後12時〜午後1250分 昼食

 

 

 

午後1250分〜午後1

  7回日本予防医学リスクマネージメント学会学術総会の趣旨

野田 洋一  同総会長、元滋賀医科大学副病院長

 

 

 

(812日午後の部)

 

午後1時〜午後2 (質疑時間を含む)

座長: 野田 洋一  前滋賀医科大学産婦人科学教授

 

講義  「診療関連死に関する死因究明制度における事例の解析」

    吉田 謙一  東京大学大学院医学研究科法医学、教授

(趣旨) 医療事故の死因究明制度モデル事業では、重要な死亡事故事例が全国的に集積しています。本講義はこれらの死亡事故を解析し、病院システムの安全向上に重要なポイントを整理し、理解を深めます。

 

 

午後2時〜午後210分 小休憩

 

 

午後210分〜午後340分 (質疑時間を含む)

座長:  藤田 眞幸  慶応義塾大学医学部法医学教授

 

講義  「医療機関における医療事故対策の法的ポイント」

井上 清成 (東京弁護士会所属、医療法務弁護士グループ代表、東大法学部卒)

(趣旨) 演者は医療事故と法に関して、多数の医療機関での顧問弁護士として豊富な経験を有し、かつ、多数の実践的な著作を発表しています。これらの具体的な経験を踏まえて、医療機関における医療安全活動のあり方のポイントを関連法規との関係で講義します。

 

午後340分〜午後350分 小休憩

 

午後350分〜午後450 (質疑時間を含む)

座長:  藤田 眞幸   慶応義塾大学医学部法医学教授

 

講義  「医療事故後の対応  東京女子医科大学での事例」

黒澤 博身 東京女子医科大学心臓血管外科学、教授

(趣旨) 演者は所属医局でのかつての不幸な医療事故の解決にあたり、病院長と供に精力的に取り組みました。本講義は「実例に学ぶ医療事故の危機管理」として東京女子医科大学病院長の推薦を得て行われます。甚大な医療事故からの立ち直りには大変な労力が必要であり、この経験を他の医療機関と情報共有することにより、医療機関における医療安全活動として何がポイントかが明快となります。

 

 

午後450  全体閉会

 

 

 

 

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