学会の趣旨

 医療技術を含む各種の技術革新の飛躍的進歩とそれに伴う社会・経済のグローバル化により、地球環境問題、地域医療問題、産業医学問題、災害医学、医療事故、薬害、食品衛生問題、国際保健問題、危機管理、メンタルヘルスなど多方面にわたる予防医学の諸問題が増加しています。これらの諸問題の予防にはそのリスクアセスメントの成果を受けてリスクマネージメントを実践することの必要性が認められますが、そのためにはそれに付随する政策や対策に関わる技術開発のみならず、政治経済学、行政学、社会学、環境科学、生態学、行動科学、情報科学、教育学、疫学、統計学など多方面の学際研究が必要です。このような観点から本学会は予防医学の諸問題に対する科学的対策の策定に貢献する学際的な研究活動の交流を目的とします。

 本学会の最大の特色は、1)健康リスクを健康に好ましくない状態の起きる確率として取り上げることにより、健康リスクに対する予防的なマネージメント対策を数量解析により実証研究すること、2)予防医学分野で必要となるマネージメントの原理と技術の向上すること、および3)これらの活動を国際的水準で展開するためのしかるべき措置を国内に構築することです。

 2002年1月

   日本予防医学リスクマネージメント学会