URMPM

国際予防医学リスクマネージメント連盟

新型インフルエンザ危機管理情報 (医療従事者向け専門情報)







本ホームページは、医療従事者を対象として、高原性鳥インフルエンザと2009インフルエンザに関する医療の専門情報を掲載します。
1) 下記の通り、2009インフルエンザの病原性が20094月の時点での国際的な危機予測に反して致死率はかなり弱い上、効果の十分高い治療方法が確立されています。しかし、季節性インフルエンザとは異なる重篤な肺炎が起きる場合があります。
2) 2009インフルエンザは人-人感染により世界的な流行が観察され、今後そのウィルス毒性の変化に注視が必要です。
3) 高原性鳥インフルエンザのウィルスは強毒性で、罹患者の致死率が高く、今後そのウィルスの人-人感染性の高まりに注視が必要です。
4) 免疫力低下・身体衰弱が2009インフルエンザの致死率を高めているので、関連リスク保持者に対する細心の配慮が必要です。
5) 2009インフルエンザの症状は妊婦、幼児、小児、青少年で重篤化する場合があり、細心の治療観察が必要です。


(海外情報) 


世界学会の電子マガジン


第14回国際感染症学会総会 (米国マイアミ 2010年3月)


高原性鳥インフルエンザの発生情報
高原性鳥インフルエンザに関するWHO情報



2009インフルエンザに関するWHO情報
2009インフルエンザに対するWHO警報のフェーズ6宣言 -- 2009/6/11
 ※ 人−人感染をし、世界的流行のウィルスと指定されました。医学的意義は上文と同じです。
 ※ 本疾患の病原性は中等度とされました。
 ※ その医学的意義は基本的に下記の日本政府の認識と同様です。
 ※ 低開発国や開発途上国はワクチン製造を含む医薬品不足のため、深刻な大災害になるとされました。
  ※ 新型インフルエンザH1N1は2009インフルエンザと名称が変更されました。
2009インフルエンザからの教訓からみた対策に関するWHO宣言 -- 2009/7/2
  ※ 感染国への渡航禁止は感染防止には役に立たない。
  ※ 人口密度の高い地域(=北半球の先進諸国)での第1波流行のピークは過ぎたが、冬期を迎える南半球での流行に警戒が必要である。
  ※ 将来の流行に備え、地域医療機関での治療体制を強化すべきである。
  ※ ハイリスク患者の感染に特に注意が必要である。
2009インフルエンザのワクチン接種に関するWHO勧告 -- 2009/7/13
  ※本疾患の流行は止められない。
  ※本疾患に対するワクチンは世界的に不足しており、その接種は医療従事者を最優先とし、医療活動を確保すべきである。
2009インフルエンザの感染報告体制の変更に関するWHOの新方針 -- 2009/7/16
  ※各国での感染者数の激増に対し、感染者数報告のための本疾患のウィルス検査体制が限界点に達した。
  ※今後は感染者数の報告を行わない。
  ※ただし、新たに感染国になった国については感染者数の報告を行う。
  ※なお、本ウィルスに対する検査能力の高い国では、ウィルス性状の変化を監視するためのサンプル調査を実施すること。
2009インフルエンザ感染妊婦の治療に関するWHOガイドライン -- 2009/7/31
  ※本ウィルスは、妊婦の中期と後期ないし若年妊婦でリスクが高まる傾向にあり、警戒が必要。
  ※妊婦の発症後は48時間以内にタミフルを投与すること。
  ※本ウィルスのワクチンが妊婦に有効であり、その接種を優先すべきである。
  ※(重要文献) Jamiesan DG et al. H1N1 2009 influenza virus infection during pregnancy in the USA. Lancet 2009; published online July 29, 2009
2009インフルエンザに対する抗ウィルス薬の使用に関するWHOガイドライン -- 2009/8/21
  ※健常な成人での感染の場合は、抗ウィルス薬の投薬をしなくとも、在宅にて1週間で回復する。
  ※抗ウィルス薬投与が必要な場合は、ウィルス検査の結果を待たずに、直ちに投薬を実施する。
  ※妊娠などの関連リスク保持者の感染の事例では、発症後48時間以内に抗ウィルス薬(タミフルなど)を処方する。
  ※重症例の40%が健常な児童と50歳以下の成人での感染例。
  ※「重症化」とは発症後5,6日に抗細菌薬の利かない肺炎が起き、心臓、腎臓、肝臓などの多臓器不全となる。ICUにて長期間にわたり通常適用量より高濃度の抗ウィルス薬(タミフルなど)を処方する必要がある。
  ※5歳以下の小児も重症化しやすく、ICUでの抗ウィルス薬治療などについて同前の措置が必要。
  ※早期発見のための主な臨床症状:
    --- 過呼吸、呼吸困難、蒼白、血痰、胸痛、意識低下、3日間以上の高熱、血圧低下
  (児童の場合) 過呼吸、呼吸困難、注意力欠如、起立困難、遊戯意欲減退
2009インフルエンザの流行第2波に対する備えについてのWHO勧告 -- 2009/8/28
  ※北半球では流行第2波が今後数カ月以内に起き、その備えが不可欠。
  ※本ウィルスは世界各地で流行はさらに続くが、致死率の極めて高いウィルスへの変異は認められていない。
  ※患者数が激増する流行第2波では、医療従事者自身が感染源になる可能性が高い。
2009インフルエンザに対する抗ウィルス薬の使用に関する米国CDCのガイドライン -- 2009/9/8
  ※入院を必要とするインフルエンザ患者(疑い例を含むに)は、タミフルまたは リレンザによる治療を行う。
  ※5歳未満の小児、65歳以上の成人、妊婦、慢性疾患保有者、免疫抑制状態にある人、および長期アスピリン療法を受けている 19 歳未満の人がインフルエンザに罹ったときは、抗ウィルス薬治療を行う。
  ※上記以外の場合、抗ウィルス薬による治療ないし予防は必要ない。ただし、呼吸困難、過呼吸、血中酸素飽和度の予期せぬ低下 などの下気道症状が出現したならば、直ちに抗ウィルス薬治療を行う。
  ※抗ウイルス薬治療が必要と臨床的に判断されるときには、検査結果を待たず、ただちに投薬治療を行う。
2009インフルエンザのタミフル耐性の現状とタミフル投与に関するWHO勧告 -- 2009/9/25
  ※ タミフル耐性患者は全世界で28名報告され、すべてH275Y遺伝子変異を伴う。
  ※ この耐性は、免疫障害のある患者またはタミフルの予防投与で発生している。
  ※ タミフル耐性ウィルスの拡散防止のため、本ウィルスの耐性検査が必要である。
  ※ 本疾患発生の予防のために、タミフル投与は行うべきではない。
  ※ タミフルは本疾患の発症初期からの投与に限定すべきである。
  ※ ただし、現時点ではこの耐性ウィルスの感染性は限定的である。
2009インフルエンザの臨床像に関するWHO国際会議の概要 -- 2009/10/16
  ※ 本疾患の大部分の患者は、医学的治療なしに、1週間以内に回復している。
  ※ 喘息や慢性呼吸器疾患、その他の臓器疾患を有する患者では、死に至る原発性肺炎を引き起こし、ICUでの治療が不可欠である。死因の大部分は呼吸器障害と難治性ショックである。死亡の30%には二次的細菌感染を観察する。
  ※ 本ウィルスは重症肺炎を直接引き起こす。
  ※ 妊婦、基礎疾患の保有者以外に、若年層でも重篤例が多いが、原因はまだ不明である。
  ※ 重症化は発症から3-5日後に始まり、多くは24時間以内に呼吸器不全を進行させるため、ICUへの即時入院により人工呼吸器による支援を行わなければならない。
  ※ タミフルやリレンザ などの抗ウイルス薬による迅速な治療で、重症度は改善され生存率も上昇する。
  ※ バクテリア感染による肺炎としては、肺炎連鎖球菌と黄色ブドウ球菌が主で、メチシリン耐性のものも含まれ、抗菌療法を早期治療として検討する必要がある。
  ※ 重症化または死亡のリスクを有するハイリスク群: 妊娠中の女性(特に第3期)、2歳以上の子供、慢性的肺疾患(喘息含む)のある人
  ※ 重症化や死亡する患者の大部分で、肥満(特に病的肥満)が確認されている。
 
(WHO事務局長宣言 --2010年8月10日) 本疾患は世界的流行・パンデミックの時期を過ぎた。しかし、局地的な流行は続くであろう。
   



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(注) 低開発国の医薬品不足はあなたの支援が必要です。

 国際赤十字社募金 (新型インフルエンザ対応可)

 オンライン募金
    ("I would like my contribution to go to:"のカラムで、Pandemic Influenzaと指定する。)
 銀行振込

 WHOでのワクチン製造のための募金


    世界共同行動宣言 (国連、WHO、国際赤十字社、ユニセフ、等)






(国内情報 - 高原性鳥インフルエンザ)

新型インフルエンザ及び高原性鳥インフルエンザ等に関する対策室会議(第23回)資料 (内閣府 8/7)
専従の新型インフルエンザ等対策室の新設 (内閣官房 7/6)
新型インフルエンザ対策行動計画 (厚生労働省 2/17)
高原性鳥インフルエンザに関する情報 (国立感染症研究所)

技術的ガイドライン等
鳥インフルエンザ感染が疑われる患者に対する医療機関での対応 (国立感染症研究所 1/4)
高原性鳥インフルエンザに関する勧告・ガイドライン (WHO、国立感染症研究所の和訳)




(国内情報 - 2009インフルエンザ) 

2009インフルエンザが秋冬に向けて国内での患者数の大幅な増加が起こりうるという観点に立ちつつ、患者数の急激で大規模な増加をできるだけ抑制・緩和することを目標とし、運用方針を以下に改定する。 (新型インフルエンザの新しい基本方針。厚生労働省。2009/10/1)

1. (基本認識) 新型インフルエンザの発生は、国家の危機管理上重大な課題であるとの認識の下、今後、国内で感染者数が大幅に増大するにつれて、さらに重症例、死亡例が発生する事態に備え、必要な対策を実施していく。
2. 季節性インフルエンザとの最大の違いは、季節性インフルエンザでは、高齢者が重篤化して死亡する例が多いのに対し、今回の新型インフルエンザでは、基礎疾患(ぜんそく、糖尿病等)を有する者を中心として、また現時点では数が少ないものの健常な若年者の一部においても、重篤化し、死亡する例が見られることである。
3. 重症者や重篤化しやすい基礎疾患を有する者等を守るという目標を掲げ、対策を講じる。
4. 国内外の情報収集と国民への迅速かつ的確な情報提供を行う。
5. 感染拡大を防止し、基礎疾患を有する者等を守り、患者に対する適切な医療を提供するための措置を講ずる。
6. 国連及びWHOの要請を受けて、途上国における新型インフルエンザ対策に対する支援を行う。

→ 
運用方針の第2回改定 (2009/10/1)


全般
官邸の新型インフルエンザホームページ (
首相官邸)
新型インフルエンザ対策  (
厚生労働省)
都道府県・市町村によるワクチン接種に関する相談窓口及びホームページ
新型インフルエンザ対策 (全国保健所長会)
新型インフルエンザ関連情報 (日本医師会)
新型インフルエンザに関する情報 (日本薬剤師会)
新型インフルエンザ関連情報 (日本病院薬剤師会)


診療技術ガイドライン等
(全般)
医療従事者の方へ (
厚生労働省)
新型インフルエンザ最新情報 (
厚生労働省)
新型インフルエンザホームページ (
国立感染症研究所)
新型インフルエンザH1N1情報 (
国立国際医療センター国際疾病センター)

(医療機関の対処)
新型インフルエンザへの対応のための外来開設に係る医療法上の取扱いに関するQ&Aについて (厚生労働省 10/13)
医療機関での院内感染と集団感染への対応 (厚生労働省 9/1)
医療機関での新型インフルエンザ感染対策 (国立感染症研究所 9/1)
新型インフルエンザ感染患者の届け出に関する省令改正  (厚生労働省 8/25、日本医師会 8/26)
新型インフルエンザH1N1ガイドライン (
国立国際医療センター国際疾病センター)
医療機関における新型インフルエンザ感染対策について(厚生労働省 6/2)
日本感染症学会
新型インフルエンザ(豚由来H1N1)病原性と今後の推移について −臨床的対応の検討−(国立国際医療センター国際疾病センター 5/25)

シンポジウム「医療機関のための新型インフルエンザ対策」講演ビデオ

(ワクチン)
国内産ワクチンの接種方針 (2009/12/17)
基本方針 (2009/10/1)
接種のQ&A (2009/10/22)
受託医療機関リスト・接種要綱・様式 (2009/10/21)

(診断)
新型インフルエンザA(H1N1)の診断ガイダンス (国立感染症研究所 9/2)
新型インフルエンザ診療アルゴリズム (国立国際医療センター国際疾病センター 6/22)

(医療費・病院管理)
患者同士の感染を防ぐ<新型インフルエンザの外来診療における感染予防策 (厚生労働省 10/22)
新型インフルエンザまん延期の診療継続計画作り (厚生労働省 4/30)
新型インフルエンザに関する院内感染対策の徹底について (厚生労働省 5/21)
患者のケアにおける感染対策の暫定的な指針 (米国CDC 5/3)
厚生労働大臣が定める三種病原体等および四種病原体等の一部改定 (厚生労働省、日本医師会 6/23)
新型インフルエンザに関連する診療報酬の取扱について (日本病院薬剤師会 5/27)

(臨床像)
症例集  (厚生労働省 9/18)
パンデミック(H1N1)2009の臨床像  (国立感染症研究所 9/1)
新型インフルエンザ患者の死亡について (厚生労働省 8/15)
大阪府、神戸市における新型インフルエンザの臨床像 (第2報) (厚生労働省 6/10)
新型インフルエンザA (H1N1)ウイルスのヒト感染に関する臨床管理:暫定的手引き (WHO 5/21)

(治療方針)
新型インフルエンザA(H1N1)の治療 (国立感染症研究所 9/2)
リレンザ使用上の注意 (厚生労働省 5/11)
タミフル使用上の注意 (厚生労働省 5/11)
抗インフルエンザウイルス薬の都道府県への放出手順 (厚生労働省 7/9)
重篤化しやすい基礎疾患を有する者等について (厚生労働省 5/22)
新型インフルエンザの重症患者を感染症病床の定員を超過して入院させる場合等の取扱いについて (厚生労働省 6/5)

(ハイリスク群)
新型インフルエンザ自宅療養の小児の重症化防止 (厚生労働省、日本小児学会: 2009/12/16)
注意すべき患者群 (国立国際医療センター)
日本産科婦人科学会
妊娠初期のオセルタミビル使用例の報告 (国立成育医療センター 2009/6)
糖尿病罹患者に関して (国立国際医療センター)
日本透析医学会
日本小児科学会
小児における新型インフルエンザ A (H1N1)ウイルス感染に対する予防と治療の暫定的手引き (米国CDC 5/13)
日本癌学会

(検査)
検査従事者に対するブタ由来インフルエンザA(H1N1)ウイルスのバイオセーフティーガイドライン (米国CDC 5/13)








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